GOTOキャンペーンの割引を使い、久しぶりに飛行機に乗ったという方も多いのではないでしょうか。皆さんはどの空港を使いましたか?成田や羽田・新千歳・関西といった場所が多いと思います。
そんな中で、信州まつもと空港をご存じでしょうか?
出典: TRAICY
長野県松本市にある空港ですが、日本国内ではかなりマイナーです。
そのはず、定期便が1日4本しかありませんから。沖縄の離島並みです。
なので当然売り上げや利用客数ともに芳しくなく、長野県や国の財政が苦しくなれば、廃止になるのではないかと噂も。今日はそんな松本空港について解説します。
松本空港とは?
出典: 長野県
松本空港の正式名称は信州まつもと空港。長野県が管理する「地方管理空港」です。
こうした空港は戦時中に建設されたものを、旅客用に転用した事例が多いですが、松本空港の開港は1965年。東京五輪の翌年です。その後は大阪や札幌・広島・四国地方などあらゆる空港への就航が実施されますが、今定期便が運行されているのは福岡・新千歳・神戸のみ。
日本国内で「地方空港」と分類される中でも、かなり小規模と言えます。こうした便数の少なさには「松本」という土地柄が関係していました。
原因①標高が高すぎる
信州まつもと空港が位置する標高は657m。これは日本国内の空港で一番高いところにあります。これが飛行機にどのように影響するのか。
出典:飛行機おたく・ジョンのブログ
松本は標高が高いため、気圧も低くなります。そうすると揚力や推進力を上げられず、離陸が難しくなります。もし松本空港が成田や関西のように4000mレベルの滑走路を持っていたとしても、ボーイング777などの大型旅客機は飛びません。
【参考】主要空港の標高
空港 | 標高 |
成田空港 | 43m |
羽田空港 | 6.4m |
関西空港 | 5m |
②地形
松本空港が位置する松本平は、美ヶ原高原や北アルプスといった2000m級の山々がそびえる場所にあります。飛行機は離着陸に広大な平地を必要とするため、山に囲まれていると、それが難しくなります。しかも日本の旅客空港にはほとんど設置されている計器着陸装置がありません。
そのためパイロットは目視で飛行機を動かす必要があります。間違いなく「日本一着陸が難しい空港」です。
③長野県の位置
当然ですが、成田空港の利用客が多いのは関東地方の人口が多い、首都の空港という理由があります。
関西空港も人口が多い近畿地方の玄関口だから利用が多いのです。
松本空港はどうでしょう。松本の人口は24万人、県内でも200万人しかいません。東京からも大阪からも電車やバスで行った方が良いという中途半端っぷり。
松本空港の利用客を増やす方法はあるのか?
松本に観光でやってくる人のほとんどが鉄道やバスでやってきています。
大都市の空港のように自然と利用客が増えるのはありません。
皆さんは松本空港の近くにアルウィンというサッカースタジアムがあるのをご存知でしょうか。ここはJリーグ・松本空港FCの本拠地ですが、ここにやってくるアウェイサポーターのために臨時便を就航すればいいのです。
出典: わかの観戦日記
松本という土地柄、陸路では遠すぎる都市がたくさんあるのです。特に東北や中四国・九州なんて鉄道だったら半日かかります。
そのため飛行機を飛ばしてたくさんアウェイサポーターに来てもらい、ついでに長野県で観光を楽しみ経済を回してもらおうとのこと。
それで「また来たい」と思ってもらえる環境を作ることが大事かなと。
逆に松本山雅のサポーターがアウェイ観戦に行く際も、飛行機をチャーターすればいいのです。
地方空港の利用客を増やす方法
地方空港は残念ながら、その都市の人口が少ないため、出張や旅行で利用が増える時期も1年のうち夏休みやゴールデンウィークなど少ししかありません。
そのため1年中利用客が多い状態に保つためには、アルウィンのような娯楽施設や商業施設への利用を誘導して飛行機の利用も増やすといった方法が最適な気がします。
今年は例外ですが、松本山雅というチームは、2012年から7年間(15,19はJ1)もJ2で戦っていますが、平均観客動員数は1万人越えと、ホームタウンの人口や、J2の平均人数から考えると、とてつもなく多い数字を叩き出しています。
出典: サンリン株式会社
松本山雅やアルウィンにはそうしたポテンシャルがあるので、使わない手は無いかなと思います。
出典
アイキャッチ画像
出典: 東京航空局