鉄道網が発達している首都圏では、走行区間が被ることから競合区間となっている場所が沢山ありますが、渋谷ー横浜間もその一つ。
昔から運行を続けている東急東横線、
貨物線を転用する形で運行が開始されたJR湘南新宿ライン。
本記事ではこの2路線について、いろいろな分野から比較していきます。
所要時間はどっちが速い?
渋谷ー横浜間の所要時間は、JR湘南新宿ラインの方が僅かに速いです。
しかし東横線よりも速いという状況は特別快速に乗車した時のみで、快速や普通を利用した場合は28~30分かかるので、東横線の通勤特急や特急・急行と肩を並べることになります。
ポイント
①速いのは湘南新宿ラインの特別快速
②快速や普通なら東横線の特急とほぼ同じ
出典:マイナビニュース
運賃面で比較
運賃は圧倒的に東横線が安いです。
品川ー横浜間では、JRが400円なのに対して、東横線は280円。
実はJRの400円という金額は特例運賃を利用してかなり安くされているものの、東横線には遠く及びません。
決着が付いてしまいますが、渋谷ー横浜間の利用に限るなら、東横線を利用しない手はありません。
列車本数で比較
次に列車本数を比較しましょう。朝7時・夜18時の時刻表を参考にします。
※なお東横線の各駅停車は所要時間の観点から、湘南新宿ラインとの比較には不適切であると考えているため、除外します。
東横線の列車本数は、「急行・特急・通勤特急」の数です。
東急東横線
横浜→渋谷間
7時→8本(通勤特急・急行)
18時→8本(通勤特急・急行)
渋谷→横浜間
7時→6本(通勤特急・急行)
18時→8本(通勤特急・急行)
通勤特急の停車駅→渋谷・中目黒・自由が丘・武蔵小杉・日吉・菊名・横浜
急行の停車駅→渋谷・中目黒・学芸大学・自由が丘・田園調布・多摩川・武蔵小杉・日吉・綱島・菊名・横浜
出典:マイナビニュース
JR湘南新宿ライン
横浜→渋谷間
7時→5本(快速3本・普通2本)
18時→6本(快速3本・特急1本・普通2本)
渋谷→横浜間
7時→3本(快速1本)
18時→4本(快速3本・普通1本)
快速の停車駅→渋谷・恵比寿・大崎・武蔵小杉・横浜
特別快速の停車駅→渋谷・大崎・武蔵小杉・横浜
輸送力を見るとどうなのか?
本数は東急の方が多いですが、1列車当たりの輸送力つまり、「1度にどれだけ人を運べるか」で見た場合、湘南新宿ラインが勝っています。輸送力で比較してみましょう。
※東急・JR共に20m車体なので、1両当たりの定員はほぼ同じ
東急東横線
横浜→渋谷
7時→80両
18時→78両
渋谷→横浜
7時→60両
18時→74両
JR湘南新宿ライン
横浜→渋谷
7時→75両
18時→85両
渋谷→横浜
7時→45両
18時→60両
結論
首都圏の通勤は、「朝は東京に行き、夜は東京から出る」という人が多いので、列車本数もそれに従って設定されています。
JR湘南新宿ラインは、1列車当たり通勤ラッシュ時は15両で運行しているので、本数は少なくても輸送力は負けません。
まとめ
最後にまとめると…
①所要時間は4~5分の差
②運賃は200円近く東横線が安い
③列車本数は東急が多い
④輸送力は変わらない
こんな感じです。輸送力が多くない列車を多めに走らせてる東急に対して、輸送力が多い列車を集中的に走らせているJRという構図です。
運賃面で東急に軍配が上がるため、渋谷ー横浜間の移動は東急がおすすめ。しかし渋谷から先、新宿や池袋まで行く際には、JRで行くのも選択肢の一つに加わります。
写真の提供
東海道線E233系の写真3枚はみどり快速さん (Twitter→ @matsudo231)
1枚は松戸のたみさん(Twitter→ @MATUDO_TAMI)よりご提供いただきました!
ありがとうございました!