Jリーグ、月曜開催を検討。試合を平日開催した際のメリットとデメリット

Jリーグ

先日、Jリーグは2021シーズンのリーグ戦より、月曜日の試合開催を検討していることを発表しました。メディアへの露出を増やす狙いがあり、また月曜日はプロ野球の球団が移動日として設定する場合が多いため、観客数増加の狙いがあるようです。

開催日を多くしてメディアなどへの露出を増やす狙いがある。プロ野球の試合が少ない月曜に試合を開催すると、幅広い層の関心を集めそうだ。原則的に土、日に開催してきたJリーグは18年から金曜開催を本格導入。「金J」の愛称で定着してきたが、さらなる拡大を模索する。1月の実行委員会と理事会で詰める予定。

出典:日刊スポーツより (一部抜粋)

Jリーグは今まで、水曜日の開催はもちろん、2017年からは、放映権を獲得したDAZNと協力の元、「フライデーナイトJリーグ」という名称で、金曜日開催となる試合をいくつか設定しました。

週末は用事があって試合を見に行けない人たちもいることや、物珍しさを感じた人もいたのか、週末開催の試合の観客数を上回るカードもありましたし、新規観客の掘り出しにも成功しました。

それでは月曜日開催の試合はどのようになるのでしょうか。海外リーグの実例をまず見てみます。

月曜日開催を実施している海外リーグ

日本で平日開催の試合と言うと、長くやっている水曜日開催か、3年前から開始した金曜日開催の印象がありますが、海外ではその他の月曜や火曜日に開催する実例があります。

1.プレミアリーグ

全20チームで争われるイングランド・プレミアリーグでは、毎節10の対戦カードのうち、1,2試合が月曜日開催となります。

新型コロナウイルスの影響を受けてない2018-19シーズンの月曜開催のカードを見てみると、このようなものがあります。(一部)

キックオフ時間(現地英国時間、全試合月曜日)対戦カード
第2節2018/8/20 20:00クリスタルパレスーリバプール
第3節2018/8/27 20:00マンチェスターU-トッテナム・ホットスパー
第10節2018/10/29 20:00トッテナム・ホットスパーーマンチェスターC
第16節2018/12/10 20:00エバートンーワトフォード
第25節2019/2/4 20:00ウェストハムーリバプール
第32節2019/4/1 20:00アーセナル―ニューカッスル

2.ブンデスリーガ

ドイツのブンデスリーガでは2017-18シーズンより、月曜開催の試合を実施しています。

テレビ放映契約上、2020-21シーズンまでは続く見込みですが、週末開催にこだわりがあるのか、ファンの中では反発も相次いでいます。

3.ラ・リーガ

ラ・リーガは月曜開催があったという事なので、今はありません。スペインでも月曜開催に不満を持つファンが多く、日程発表の際には批判などがありました。

対立していたのは、リーグ主催者であるラ・リーガとスペインサッカー連盟。

これ実はおかしな話で、リーグ主催者でも無いスペインサッカー連盟が日程に対して文句を言ってるんですよね。

簡単に言えば、Jリーグが発表した日程を日本サッカー協会が批判するのと同じ。

選手ファーストで無い日程ならば批判するのも無理はありませんが、月曜開催くらいで介入するのは良くありません。

結局2019年に「19-20シーズンからは月曜開催はしない」ことを発表したのですが、なんとこれを言ったのがサッカー連盟側のルイス・ルビアレス会長なんです。

月曜開催のメリット

月曜開催のメリットの恩恵を受けられるのは、選手という場合が多いと思います。

月曜日に試合をする事で、過密日程を多少緩和することができます。

海外の方でも、月曜開催について「CLやELに参加しているクラブとしては、試合間隔が空くから疲労回復や練習時間を増やすことができる」と高評価をしてるコメントがあります。

土日にリーグ戦→水曜日に大陸選手権→土日にリーグ戦→水曜日にカップ戦→土日にリーグ戦………

運が悪ければ、このようなペースで試合が続きます。ファンからしたら3日に一度試合が見れて嬉しいでしょうが、選手や監督からしたら、選手起用や疲労といった問題を抱えることになります。しかも、大陸選手権の場合、他国へ移動する必要があります。移動による負担も大きなハンデとなります。

実際去年に、ACLで準優勝した浦和レッズの日程を一部見てみると、シーズン序盤にこのようなことがありました。

試合日会場都市対戦相手
第2節2019/3/2埼玉県さいたま市北海道コンサドーレ札幌
ACL第1節2019/3/6埼玉県さいたま市ブリーラムU(タイ)
第3節2019/3/9長野県松本市松本山雅
ACL第2節2019/3/13中国,北京北京国安
第4節2019/3/17大阪府大阪市セレッソ大阪
第5節2019/3/20埼玉県さいたま市FC東京

途中に松本・北京・大阪と3試合連続でアウェイが続いています。せめて、4節のC大阪戦は月曜開催にしても良かったのではと思います。それか、松本山雅と対戦する第3節の試合を、ホームゲームに切り替えてもいい気がしましたが、スタジアムが空いてなかったのでしょうか。

放映権収入の増加

実は、スタジアムの入場料による収入よりも、放映権収入の方が多いです。実際Jリーグの全試合を放送しているDAZNは、10年間に渡って数千億円の規模で契約しています。

平日開催の場合、家でテレビやスマホから試合を見る人が多くなる傾向にありますが、それも放映権収入の増加につながります。

デメリット

スタジアムに行くのが難しくなります。平日の夜に試合を開催するとなると、試合を見てから夜遅くに帰る必要があります。これはホームチームのサポーターも、アウェーのサポーターも同様です。

実際に、ブンデスリーガではスタジアムで月曜開催を反対する横断幕が掲げられたり、クラブの応援集団らが、スタジアムへ行くことをボイコットするよう求めることもありました。

ドイツでは、週末開催の試合が浸透しています。その証拠に土曜日の試合のために番組や小説があるくらいだからです。

メリットはクラブやリーグ主催者・選手側にありますが、デメリットは全てファンが感じることが多いです。

ブンデスで賛否両論の月曜開催…ファンは断固反対もリーグ側は商業面での理解を求める – ライブドアニュース (livedoor.com)

どんな試合を月曜開催にすべきか

もしJリーグが月曜開催を実行するならば、どのような対戦カードを月曜日に行うべきでしょうか。

それはあまり観客が見込めないカードです。

プレミアリーグではトッテナムvsマンチェスターUといったいわゆる「ビック6」と呼ばれる強豪同士の対戦を月曜にするケースもありますが、駅からスタジアムが遠く、郊外にスタジアムが多い日本では賛成できません。

Jリーグで注目が集まるカードとして宣伝されるのは、

浦和v鹿島、川崎v横浜Fマリノス、川崎vFC東京、浦和vG大阪など、これらはスタジアムが満員になりやすいですが、このようなビックカードを月曜開催するのはもったいないです。

浦和レッズならば平日でも2万人集められる集客力はありますが、それでも土日の試合には及びません。

こういったことはJリーグ側も分かっていて、日程スケジューラーにも、対戦カードについて様々な設定をしているので、こうはならないと思いますが。

2019年のJ1で平日金曜日開催された試合(一部のみ掲載)

試合日対戦カード
12/22C大阪ー神戸
23/1川崎ー鹿島他1試合
53/29横浜FM-鳥栖
64/5鹿島―名古屋他2試合
84/19川崎―湘南他1試合
125/17川崎―名古屋他2試合
145/31湘南ー横浜FM
156/14鹿島ーC大阪他2試合
218/2神戸ーG大阪
248/23鹿島ーG大阪他2試合
258/30名古屋ーFC東京
269/13浦和ーC大阪他1試合
2810/4G大阪ー札幌
2910/18松本ー鹿島他2試合
3011/1鹿島―浦和

2019年は平日金曜日開催となった試合がたくさんありました。月曜開催も上手くいったら、試合数を増やしてみても良いかもしれません。

さいごに

月曜開催に反対をするファン・サポーターの方も多いと思いますが、自分は賛成です。というか月曜開催をしたらどうJリーグが変わるのか気になります。

もしかしたらACL参加チームの過密日程緩和につながり、良い試合を続けられるかもしれません。ACLとJリーグのダブル制覇を達成する初のクラブが登場することを期待したいです。

今月下旬には日程も発表されることなので、動向を見守ることにします。ありがとうございました。

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