【検証】レアル・マドリードのスタメンは若すぎるのか?「キャプテン」のいない強豪

私は応援しているサッカーチームは、国内では浦和レッズ、世界ではレアル・マドリードです。マドリーの試合は毎年、毎試合見ているわけではありませんが(お金の都合で)、欧州CLはここ数年、基本的に見ています。

最近のマドリーと言えば毎年のように、栄光の3連覇時代を支えた功労者がクラブを去っていくことが、風物詩のようになっています。21年にラモス、22年にマルセロやベイル、イスコ、23年にベンゼマやアセンシオ、24年にクロースとナチョ、25年にモドリッチとバスケス。

マドリーの世代交代は一般的に、「うまくいっている」という評価がなされており私もそれには同感ですが、その一方でチームが若すぎるのではないかとする声も確かにあります。

年齢だけが経験を決めるものではありませんが、若い選手だけいればいいということでもありません。そこで今回、レアル・マドリード、欧州の強豪クラブのスタメンやチームをあえて年齢で検証しながら、レアル・マドリードは年齢的に若いのかを検証していきます。

マドリーのキャプテン制度

マドリーのキャプテン制度は特殊で、完全に厳格に「チーム在籍年数順」です。そしてチーム在籍年数が長い、つまり年齢が高い選手からチームを離れる傾向にありますから、ここ最近のマドリーは毎年のようにキャプテンが変わるという、文章だけ見ると異様なことも起きています。

ここ最近のキャプテン

在任期間選手名
2010-2015カシージャス
2015-2021ラモス
2021-2022マルセロ
2022-2023ベンゼマ
2023-2024ナチョ
2024-2025モドリッチ
2025-カルバハル

今までキャプテンを務めてきた選手を否定することではありませんが、在籍年数だけでキャプテンが決まってしまうので、キャプテン能力は問われません。しかも在籍年数が長い選手は年齢が高く、スタメンを外され始めていることも多いので、キャプテンとゲームキャプテンが一致しないことも、ここ数年は数多く見られます。

そこで重要なのはピッチにどういうキャプテンがいるかなんですか…

「スタメンの選手が若すぎるのではないか」

ここ数年でマドリーは精神的なピッチのリーダーを失っている、特にモドリッチもいない今年はそれが顕著だと私は思います。

まあモドリッチがいた去年でさえも、こんな意見はありました。「モドリッチはリーダーシップがあるが、派手な尖った若手をまとめるには、クロースやラモスみたいな選手が必要だった」ということです。

今年のキャプテンはカルバハルで、キャプテンシーを持つ選手ではありますが、ポジションがサイドバックであり、また負傷もあり試合出場が限られる可能性を踏まえると、誰がゲームを動かしてピッチで本当のキャプテンとなるかは注目ですし、何ならその地位をすぐに確立する人物が現れなければいけません。

年齢的にスタメンは若いのか?

では本題です。この記事では年齢という動かぬ指標で、いろいろなクラブの年齢層を測ってみたいと思います。

理想のスタメンは、対戦相手により異なりますし、負傷などで必ず実現しないので難しいのですが、ここでは基本的に、今季の各クラブのリーグ開幕戦のスタメンをもとに年齢を測っていこうと思います。

※年齢は、スタメンの参考にした試合が開催された時点での数字です。

スポーツナビを参考にフォーメーションを記載していますが、少し違うようであればご了承ください。

※基本的に強豪とされるクラブをここでは掲載していますが、尺の都合上、掲載していない強豪クラブもあります。

1.レアル・マドリード

2025年8月18日 ラ・リーガ2025-26開幕戦 vsオサスナ

フォーメーション:4-3-3

GK:クルトワ(33歳)

DF:カレーラス(22歳)、ハウセン(20歳)、ミリトン(27歳)、アーノルド(26歳)

MF:ギュレル(20歳)、チュアメニ(25歳)、バルベルデ(27歳)

FW:ヴィニシウス(25歳)、エムバペ(26歳)、ディアス(26歳)

平均年齢:25.2歳

平均年齢は25歳でした。しかし言うまでもなくスタメンは毎試合ごとに異なりますし、何よりミリトンが今は負傷離脱(2026年2月現在)しており、リュディガーやアセンシオが入ったりするので、平均年齢は大きく異なってきます。

とはいえどっちにしろ今年のマドリーは、23~25歳くらいの範囲が毎試合の平均年齢になっているはずです。

2.バルセロナ

2025年8月15日 ラ・リーガ2025-26開幕戦 vsマジョルカ

フォーメーション:4-2-3-1

GK:J・ガルシア(24歳)

DF:バルデ(21歳)、クバルシ(18歳)、アラウホ(26歳)、E・ガルシア(24歳)

MF:ペドリ(22歳)、F・デヨング(28歳)、ラフィーニャ(28歳)、F・ロペス(22歳)、ヤマル(18歳)

FW:F・トーレス(25歳)

平均年齢:23.2歳

この試合が偶然だっただけかもしれませんが、バルサは平均年齢23歳のスタメンで25-26初のホイッスルを迎えました。言うまでもなく、これは若い部類に入りますね。

ただしFWにはレバンドフスキ(2025年8月15日時点で36歳)が入ることもありますから、F・トーレスを外してレバンドフスキを入れてみると、先ほどの23.2歳は、24.2歳になります。それでも若いですが….

3.アトレティコ・マドリード

2025年8月16日 ラ・リーガ2025-26開幕戦 vsエスパニョール

フォーメーション:3-5-2

GK:オブラク(32歳)

DF:ルッジェーリ(23歳)、ハンツコ(27歳)、ルノルマン(28歳)

MF:M・ジョレンテ(30歳)、バエナ(24歳)、ギャラガー(25歳)、カルローゾ(23歳)、シメオネ(22歳)

FW:アルマダ(24歳)、アルバレス(25歳)

平均年齢:25.7歳

スペイン3強の25-26開幕戦の中では、アトレティコが最も平均年齢が高い結果になりました。とは言っても25歳ですがね。

アトレティコの試合は普段追っていないので詳しく知りませんが、試合によってはグリーズマン(34歳)が入ることもあるはずですから、そうなったときはさらに平均年齢が高くなるかもしれません。

4.リバプール

2025年8月14日 プレミアリーグ2025-26開幕戦 vsボーンマス

フォーメーション:4-5-1

GK:アリソン(32歳)

DF:ケルブズ(21歳)、ファンダイク(34歳)、コナテ(26歳)、フリンポン(24歳)

MF:ソボスライ(24歳)、マクアリスター(26歳)、ガクポ(26歳)、ヴィルツ(22歳)、サラー(33歳)

FW:エキティケ(23歳)

平均年齢:26.4歳

24-25シーズンにリーグ制覇をしたリバプールを見てみましょう。スペイン3強より少し高い、26歳が開幕戦の平均年齢となりました。

ロバートソンや遠藤航が加わればさらに平均年齢は上がるでしょうが、そうはいっても全体的に若い選手が多く、どんなスタメンで試合を始めても、これくらいの平均年齢になるのだろうと思います。

5.マンチェスター・シティ

2025年8月15日 プレミアリーグ2025-26開幕戦 vsウルヴァーハンプトン

フォーメーション:4-5-1

GK:J・トラフォード(22歳)

DF:アイトヌーリ(24歳)、R・ディアス(28歳)、ストーンズ(31歳)、R・ルイス(20歳)

MF:ラインデルス(27歳)、N・ゴンサレス(23歳)、ドク(23歳)、B・シウバ(31歳)、ボブ(22歳)

FW:ハーランド(25歳)

平均年齢:25.1歳

ほぼ25歳。開幕戦に関していえば年齢的にはバランスが取れているといえます。

最近、デ・ブライネやグリーリッシュ、エデルソンといったベテラン選手が、相次いでシティを離れていることから、今季は去年よりは全体的に低い平均年齢のスタメンで試合に臨んでいるのだろうと伺えます。

今季、日常的に試合に出ている30歳以上の選手が、シウバやストーンズくらいしかいないことを考えても、 ピッチ上の若さが目立つと言えますね。

6.アーセナル

2025年8月16日 プレミアリーグ25-26開幕戦 vsマンチェスター・ユナイテッド

フォーメーション:4-3-3

GK:ラヤ(29歳)

DF:カラフィオーリ(23歳)、ガブリエウ(27歳)、サリバ(24歳)、ホワイト(27歳)

MF:ライス(26歳)、スピメンディ(26歳)、ウーデゴール(26歳)

FW:マルティネッリ(24歳)、ギョケレシュ(27歳)、サカ(23歳)

平均年齢:25.6歳

アルテタ監督のもと、2025-26を首位で折り返しているアーセナル。開幕戦は全員20代の選手でスタートしました。

しかもアーセナル、現時点(2026年2月)でクラブの最年長選手がノアゴール(1994年生まれ)です。ちょっと若すぎませんか…

7.パリサンジェルマン

2025年8月16日 リーグアン25-26開幕戦 vsナント

フォーメーション:4-3-3

GK:シェバリエ(23歳)

DF:L・エルナンデス(29歳)、ベラルド(21歳)、ザバルニー(22歳)、ザイール(19歳)

MF:F・ルイス(29歳)、ビティーニャ(25歳)、李康仁(24歳)

FW:バルコラ(22歳)、G・ラモス(24歳)、ムバイエ(17歳)

平均年齢:23.2歳

24-25のヨーロッパチャンピオンズリーグを制覇したPSG。若きタレントで欧州の頂点になったパリは、決勝の相手がインテルだったこともあり、その時はいつも以上に若さに注目が集まりましたが、その若さは普段のリーグ戦でも表れています。

このスタメンにはいないデンベレは28歳、クワラツヘリアも24歳など、主力にもベンチにも若い選手が揃っています。

最年長選手でさえも31歳のマルキーニョスであることを踏まえれば、どれだけ若いチームであるかはお分かりでしょう。

8.バイエルン・ミュンヘン

2025年8月21日 ブンデスリーガ25-26開幕戦 vsライプチィヒ

フォーメーション:4-5-1

GK:ノイアー(39歳)

DF:スタニシッチ(25歳)、J・ター(29歳)、ウパメカノ(26歳)、ライマー(28歳)

MF:ゴレツカ(30歳)、キミッヒ(30歳)、L・ディアス(28歳)、オリズ(23歳)、ニャブリ(30歳)

FW:ケイン(32歳)

平均年齢:29.1歳

バイエルンは基本的に、どの試合も若すぎることはないという印象でしたが、この開幕戦はその印象さえ通り越して30歳近い布陣となっていました。

一番若いオリズで23歳、そして後ろに26年3月で40歳になるノイアーがいることが、平均年齢を押し上げているのかもしれません。ですが相変わらずリーグで独走していることや、欧州の舞台でも決して若いチームに負けていないことを見ると、この平均年齢には問題がないことを言うまでもないでしょう。

最近はまだ10代のカールが出てきたり、若手も台頭も目立ちます。

9.インテル

2025年8月24日 セリエA25-26開幕戦 vsトリノ

フォーメーション:3-5-2

GK:ゾマー(36歳)

DF:バストーニ(26歳)、アチェルビ(37歳)、パバール(29歳)

MF:ディマルコ(27歳)、ムヒタリヤン(36歳)、バレッラ(28歳)、スチッチ(21歳)、ダンフリス(29歳)

FW:L・マルティネス(28歳)、テュラム(28歳)

平均年齢:29.5歳

十何年前、「おっさん軍団」で欧州1に輝き、その後もベテラン選手が活躍するクラブであり続けているからこそ、今でもベテランの多さは健在なんだろうとは思っていましたが、やはりその通りでした。

ベテランの1人、ムヒタリヤンは本当にずっと活躍していますよね。8年くらい前にウイイレで獲得しようと必死になっていたことを思い出します。

またベテランが多すぎるわけでもなく(30歳以上の選手は8人くらい)、一方で2005年以降に生まれた若手選手も数人所属しており、年齢的なバランスはいいと言えるでしょう。

10.ACミラン

2025年8月22日 セリエA25-26開幕戦 vsクレモネーゼ

フォーメーション:3-5-2

GK:メニャン(30歳)

DF:ガッピア(25歳)、S・パブロビッチ(24歳)、トモリ(27歳)

MF:エストゥピニャン(27歳)、ロフタスチーク(29歳)、モドリッチ(40歳)、フォファナ(26歳)、サレマーカーズ(26歳)

FW:ヒメネス(24歳)、プリシッチ(26歳)

平均年齢:27.6歳

モドリッチが25年夏にミランへ移籍したことから、マドリディスタの私にとって、一気に関心を寄せるクラブになりました。

なんとなくミランもインテル同様にベテラン選手がそれなりにいる印象でしたが、少なくとも今年は少し違うようですね。

2026年2月時点で30歳を迎えている選手は、メニャン、ラビオ、フュルクルク、モドリッチの4人しかいません。また上記の開幕戦の平均年齢も、例えばモドリッチの代わりに30歳くらいの選手が出場していたなら、今より1歳くらいは下がりますから、やはり平均年齢に関しては普通と言えるのかもしれません。

ちなみにモドリッチは、すでにミランでも欠かせない選手になっており、おそらく契約延長するのではないでしょうか。

【結論】レアル・マドリードの問題は何が原因か

さてここまでいくつかの強豪クラブの布陣を見てみましたが、結局マドリーの問題はどこに原因があるのでしょうか。

言うまでもありませんが、ベテランを入れて平均年齢を27くらいにすればいいとかそういう話ではありません。

またもっとチームを若くするべきという話でもないですね。

そこで浮かび上がることが、やはり司令塔の不足にあるのではないでしょうか。

どのクラブでも精神的、戦術的な司令塔は必須ですが、マドリーの場合その必要性はより高まってくると考えています。例えば、マドリーとは違い戦術面で役割や動きが固定、限定されているクラブなら、部分的であれ監督が司令塔的な役割を果たせるかもしれません。

しかしながらマドリーは、ご存じのように選手のひらめきや能力に勝利を託しているクラブです。そこで重要なことが、精神面のみならず戦術の面でもピッチを支配できる選手なんですが、今誰がここに当てはまるでしょうか。カルバハルはキャプテンに値する選手ですが、ピッチの支配者ではありません。

マドリディスモを体現する選手はいっぱいいます。ですがクロースやモドリッチが去った今、やはり戦術面でピッチを支配する選手がなかなかいないということが、結果として精神面でのキャプテン不在という問題にも少し形を変えて表れているのではないか、そのように私は考えています。

戦術面で選手を統率している選手は、精神面でも他の選手にいい影響を与えますからね。

アイキャッチ画像の出典

出典:レアル・マドリード(公式)