【CLトーナメント】今年のラウンド16はゴール入りすぎ?過去の結果と比較してみた
3月も終わりが差し掛かってきたこの頃ですが、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のラウンド16全試合がおわり、いよいよベスト8が出揃いました。
多くの人の印象に残ったことの一つに、プレミアリーグ生き残りが極めて少ないこと、があるかもしれません。
6クラブがベスト16入り、しかもストレートインしたにも関わらず、ベスト8入りはアーセナルとリバプールのみ。
それと同時に、今年のラウンド16は全体的にゴール数が多かったという印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。1試合あたりはそうでもなくても、2試合の合計スコアをいざ見るとこんなに多いのか!と感じる試合も。
今年のラウンド16は、やはり全試合のゴール数が多かったのでしょうか。この記事では、過去のデータなどをもとに、今年のラウンド16がどうかを見ていきます。
今年のラウンド16
今年のラウンド16のカードと結果を、改めてご覧いただきましょう。(太文字で書かれたクラブがベスト8進出)
| 対戦カード | 1stレグ | 2ndレグ | 合計スコア |
| パリ・サンジェルマン チェルシー | 5 2 | 3 0 | 8 2 |
| ガラタサライ リバプール | 1 0 | 0 4 | 1 4 |
| レアル・マドリード マンチェスター・シティ | 3 0 | 2 1 | 5 1 |
| アタランタ バイエルン・ミュンヘン | 1 6 | 1 4 | 2 10 |
| ニューカッスル・ユナイテッド バルセロナ | 1 1 | 2 7 | 3 8 |
| アトレティコ・マドリード トッテナム・ホットスパー | 5 2 | 2 3 | 7 5 |
| ボデ・グリムト スポルティング | 3 0 | 0 5 | 3 5 |
| レバークーゼン アーセナル | 1 1 | 0 2 | 1 3 |
パリ・サンジェルマン、リバプール、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘン、バルセロナ、アトレティコ・マドリード、スポルティング、アーセナルの8クラブがベスト8進出となりました。
今年のCLラウンド16で記録されたゴール数:68ゴール
今年のラウンド16、1stレグと2ndレグを合わせた全16試合で記録したゴール数は、68ゴールとなりました。
SNSで少なからずあった意見はやはり、「ゴールでの殴り合いが多かった」「大差がついた試合が多かった」という意見です。実際それは試合ごとのスコアを見ればその通りだと思います。
一つの対戦カードあたり8.5ゴール、1つの試合あたり4.25ゴールが生まれた計算です。
リーグフェーズならまだしも、強豪しか残れないラウンド16で1試合あたり4.25ゴールというのは、多いという印象を受けます。
しかも今回のラウンド16は、プレミア勢が軒並み大敗したというのも特徴の一つ。
世界で一番競争力があり強豪が多いと評価されているプレミアが、まさかの負ける側に回ったのです。
ではこれまでと比較するとどうか?このゴール数は多いのか?
ここでこの記事の本題である、過去のデータとの比較です。
25-26シーズンの今回のラウンド16で記録した68ゴールは、直近のシーズンと比較すると多いのか普通なのか少ないのか。
直近5シーズンほど遡り、見ていきましょう。
2024-25シーズン:47ゴール
まずは2024-25シーズンから見ていきましょう。余談ですが、この24-25からチャンピオンズリーグの大会形式が変更されました。そしてパリ・サンジェルマンが初優勝を飾ったシーズンでもありました。
ラウンド16の対戦カードと合計スコアは次のとおりです。(太文字で書かれたクラブがベスト8進出)
パリ・サンジェルマン 1-1(2ndレグ PK4-1) リバプール
クラブ・ブルッヘ 1-6 アストン・ヴィラ
レアル・マドリード 2-2(2ndレグ PK4-2) アトレティコ・マドリード
PSV 3-9 アーセナル
ベンフィカ 1-4 バルセロナ
ボルシア・ドルトムント 3-2 リール
バイエルン・ミュンヘン 5-0 レバークーゼン
フェイエノールト 1-4 インテル
よく考えたら今年のラウンド16は、PKまでもつれ込んだ対戦カードが一つもありませんでしたね。改めて過去の結果を調べていて、そう感じました。
このような結果となった24-25シーズンですが、このラウンド16で記録された全ゴール数は47ゴールでした。

出典:ロイター
2023-24シーズン:33ゴール
続いて23-24シーズンを見ていきましょう。
「グループステージは4クラブ×8組、各組上位2クラブが決勝トーナメントに行く」という形式で開催された最後のシーズンでした。引退を発表したトニ・クロースのレアル・マドリードが、15回目の優勝を達成しました。
ラウンド16の対戦カードと合計スコアは次のとおりです。(太文字で書かれたクラブがベスト8進出)
ポルト 1-1(2ndレグ PK2-4) アーセナル
ナポリ 2-4 バルセロナ
パリ・サンジェルマン 4-1 レアル・ソシエダ
ミラノ 2-2(2ndレグ PK2-3) アトレティコ・マドリード
PSV 1-3 ボルシア・ドルトムント
ラツィオ 1-3 バイエルン・ミュンヘン
コペンハーゲン 2-6 マンチェスター・シティ
よく考えたら23-24シーズンも、PKまでもつれ込んだカードが2つ、ありました。そう考えると25-26シーズンは、すべての試合が120分までには終わり珍しいラウンド16だったのかもしれません。
2023-24シーズンのラウンド16の全16試合で記録されたゴール数は、合計33ゴールとなりました。
25-26シーズンの半分ですよ、少ない、少なすぎる….

出典:ロイター
2022-23シーズン:38ゴール
続いて2022-23シーズンを見ていきましょう。
何度も優勝候補に挙げられながら、ビッグイヤーの前で何度も涙を飲んできたマンチェスター・シティが、初めて欧州制覇をしたシーズンです。
マドリディスタの私としては、準決勝2ndレグのマンチェスターで、マドリーが4-0でやられたあの試合を思い出します。
ラウンド16の対戦カードと合計スコアは次のとおりです。(太文字で書かれたクラブがベスト8進出)
ライプツィヒ 1-8 マンチェスター・シティ
クラブ・ブルッヘ 1-7 ベンフィカ
リバプール 2-6 レアル・マドリード
ミラン 1-0 トッテナム・ホットスパー
フランクフルト 0-5 ナポリ
ボルシア・ドルトムント 1-2 チェルシー
インテル 1-0 ポルト
パリ・サンジェルマン 0-3 バイエルン・ミュンヘン
僅差で最後までわからなかった試合があった反面、スコアが目立つ一方的な試合もあったラウンド16でした。
25-26シーズンは1クラブたりともベスト8に残れなかったイタリア勢ですが、22-23シーズンはミラン、ナポリ、インテルの3クラブがベスト8入り。準決勝でミランダービーが実現しましたし、インテルは準優勝しました。
2022-23シーズンのラウンド16の全16試合で記録されたゴール数は、合計38ゴールでした。
シティやベンフィカの圧勝でゴール数が増えるように思いましたが、そんなことありませんした。

出典:ロイター
2021-22シーズン:41ゴール
このシーズンといえば、ラウンド16の抽選会でゴタゴタがあり、抽選結果が一転した年。
本来は分けなければいけなかったクラブのボールを、同じ場所に入れてしまうミスが発生し、UEFAが再抽選を決定しました。
ラウンド16の対戦カードと合計スコアは次のとおりです。(太文字で書かれたクラブがベスト8進出)
ザルツブルク 2-8 バイエルン・ミュンヘン
スポルティング 0-5 マンチェスター・シティ
ベンフィカ 3-2 アヤックス
チェルシー 4-1 リール
アトレティコ・マドリード 2-1 マンチェスター・ユナイテッド
ビジャレアル 4-1 ユベントス
インテル 1-2 リバプール
パリ・サンジェルマン 2-3 レアル・マドリード
このシーズン、イタリア勢は25-26同様、ラウンド16で全員が姿を消します。一方でイングランド勢とスペイン勢は3クラブずつベスト8へ進み、準決勝のカードはどちらもイングランドvsスペイン(マドリーvsシティ、ビジャレアルvsリバプール)となりました。
2021-22のラウンド16全16試合のゴール数は、合計41ゴールとなりました。

出典:UEFA.com
2020-21シーズン:48ゴール
新型コロナウイルスの影響で決勝と一部の試合を除き、ほぼすべての試合が無観客で開催された2020-21シーズン。
チェルシーが久しぶりの欧州制覇を、ポルトガルの地で成し遂げました。
ラウンド16の対戦カードと合計スコアは次のとおりです。(太文字で書かれたクラブがベスト8進出)
ボルシアMG 0-4 マンチェスター・シティ
ラツィオ 2-6 バイエルン・ミュンヘン
アトレティコ・マドリード 0-3 チェルシー
ライプツィヒ 0-4 リバプール
ポルト 4-4(2ndレグ延長のすえ、アウェーゴール差でポルト勝利) ユベントス
バルセロナ 2-5 パリ・サンジェルマン
セビージャ 4-5 ボルシア・ドルトムント
アタランタ 1-4 レアル・マドリード
ちなみにこの2020-21シーズンは新型コロナウイルスの影響もあり、「グループステージ以降、交代枠を5人までとする(延長線突入の場合6人まで)」ことが初めて認められ、一方でアウェーゴール方式を導入した最後のチャンピオンズリーグにもなりました。(2026年現在)
2020-21のラウンド16全16試合のゴール数は、合計48ゴールとなりました。
ここまで見てきた6シーズンの中では多い方ですが、25-26シーズンの足元にも及びません。

出典:ロイター
明らかに今年のゴールは多すぎる
ここまで記事をご覧いただいてお分かりと思いますが、2025-26シーズンのラウンド16は、明らかにゴールが多すぎるシーズンでした。

この今年を含めた直近6シーズンの、ラウンド16における平均ゴール数は、45.8ゴール。それより20ゴールほど多かったということです。
ちなみに直近6シーズンの1試合あたりのゴール数(この6シーズンで行われたラウンド16の試合は、全てで96試合)を見てみると、2.8ゴールとなります。
もっと遡ってみよう
かなり記事が長いのでここで終わってもいい気がするのですが、試しにさらにシーズンを遡って比較してみましょう。(本題は話したので、ここで読み終えてもらっても構いません)
すでに2020-21まで遡りましたが、さらに3シーズン(2017-18,2018-19,2019-20)も比較に入れてみます。

確かに今年のゴール数は多いようです。
その上で一つの傾向が浮かび上がってきます。それは、「最近はラウンド16でのゴール数が減少傾向にあったが、増加に転じているのか」ということです。
あくまで事実をそのまま話した傾向にすぎませんが、確かに去年、今年とラウンド16での合計ゴール数は、増えていますね。
サッカー戦術の特徴が変化しつつあるのか、それとも2024-25シーズンから大会形式が変わったことによるものなのかわかりませんが、面白い分析対象だと思いました。
アイキャッチ画像の出典
出典:ロイター
